更年期を通じてふと思い出すのが妊娠中のつわりの時のことです。 自分の体内で息づく異物をコントロール不可なまま、自然に任せる他なかった。 自分の体内に宿り、息づこうとするエイリアンに驚愕しながらも、 自分の内なるものが、その存在を認知し、受け入れようとしている。 つわりはそれを守りながら次のステップへ向かおうとする、慎重な準備の表れだろう。

頭で考えていることより、はるかにシンプルに、内なるものに突き動かされる。 つくづく人間はよくできているなあ、と思ったが、これ動物の本能でもある。 つわりも更年期も、人生における大きな節目、そのどちらも 意識では太刀打ちできないものに引っ張られている。 実は人間の行動の全てがそうだとも思います。 こんな筈じゃないのにと思うことも、苦しいと感じることも、 全ては内なる自分の足跡。

だからといって、それを抑えるも放っておくのもいいけれど、 いよいよ、にっちもさっちも行かなくなった時には、その正体を見るしかない。 痕跡を辿ればその流れは鮮明に浮き上がり、全ては自分の為だけの 理由と意味がそこにある。 つじつまの合わないものなど何も無い。 意識など太刀打ちしきれない、根底に眠る自分を、起こすしかない。