デパ地下の実演販売のカリスマと呼ばれる、高級和牛でも何でも買わせてしまうらしい人が言ってた。 「お客さんは、得をしたくて買うのではない。損をしたくないから買うのです。」と。 そう!その通り! お得感を持たせるというよりは、今買わないと損するかも、と思わせる話術で瞬時に引き込む。 今これを買わなかったら後で損をしてしまうかもしれない、と、 自然に煽るのがコツなんだろう。

人は案外、損をしたくないという観点から突き動かされることの方が多い。 断じて得をしたいと考えるより、断じて損をしたくないと考えるからだ。 例えば、株安、今このチャンスを逃したら・・ このまま銀行に預けていたら損!? ・・ こう思うことから投機マネーの流れが生まれる。 この流れは、資本主義社会の姿でしょう。 また、いいなと思っていた洋服がバーゲンになった。 値引金額に、「今買わないと損!? ・・」と、気持ちが駆り立てられてしまう。

私もいつも引っかかる。 ホントに欲しいか?ホントに着るか?ではないんだな。 今買っておこう・・でも着なかった、なんだな。 消費行動の第一の理由もこれでしょう。 百円均一の商品も、得だなあと思うより、損はないなあと思ってしまう。 こういう心理の流れが案外繰り返されるのは、大損経験者はともかく、損はしたくないという欲求の強いほうに、人間は駆り立てられるからです。 この心理はね、みんなが、「頑張らなくちゃ」「我慢しなくちゃ」と思ってしまう気持ちとそっくり同じなんですよ。

例えば・・ 学校行っとく? 卒業証書、あって得というよりは、なくて損したくない。 上へ上へと立派な人、善人、聖人、賢人、富豪になりたいと 懇願しているのではなく、今より下がること、落ちることが嫌で頑張ってんだ。 悪人、バカ、負け、ダメ人間と言われたくないから頑張ってるんだ。 劣意識を駆り立てられ、不安でいたくないから頑張り続けるしかないんだ。 本気で上を目指してる訳じゃないんだよね。 やりたくてやってるんじゃないんだよね。 落ちたくないんだよ。 殆どの人がそう。

だから、逆に、頑張りたくない自分を持っている人、 位置の上下に優劣など感じない人などには、頑張る意味、我慢する意味がさっぱり解らない。 いや、この方がマトモなんですがね。 さて、このマヤカシのカラクリなんですが、これ、人間の不安感をかき回しているんですね。 だから、そこを刺激されると、元に戻そうと反応してしまうんですよ。 頑張らなきゃ、もっと努力しなきゃ、我慢しなきゃ・・・ そうしてなきゃ、不安でたまらない・・・ このカラクリを少しでも理解していれば、 少なくとも自分が何故そうしたのかが解り易いでしょう。